FF14

混ぜるな危険

「わははは! ワワルッカちゃん、あんたって子は!」

 

とある日の夕食後 ——— 。
風呂からあがってきた夫を、嫁の大爆笑が出迎えた。

 

先日、めでたくも蛮族クエスト・ナマズオを完遂し、念願のお神輿を手に入れた嫁。ナマズオ可愛さでカムバックしたFF14であったが、久しぶりのプレイは新鮮で楽しかったらしく、戦闘職以外のクエストにちょこちょこ手を出している様子。漁師、調理師のほかにも、木工師と錬金術師などと次々と弟子入りし、今宵は裁縫師のギルドクエストの報告をしているところだった。

 

 

「わかった! ワワルッカの家には鏡がないんだよ!」

「いやいや、そんなはずは……(ハウジングの家具を検索)……ほんとだ、鏡餅しかない」

「ほらぁーw ねー?」

 

 

「ゲイターに合う服はわかんないけど、あのハーネスはひどいw」

「低レベル帯のアタッカーでは、ハーネスにサブリガ一択っていう時期もあるんだぜ?」

「マジか! ほぼヘンタイじゃん! ふひひ!」

 

 

「わはは! 捕まらなくてよかったね、ワワルッカちゃん」

「ちょっと服のセンスが悪いってだけで、捕まるってほどじゃないだろー」

 

 

「いやいや、ワワルッカの思い人のご実家、宝石商でっせw」

「………マジで?」

「マジで。だから、不審者、即、通報って可能性もあるんじゃない?」

「まあ、考えられなくはない、か。ウルダハだしな」

「うん。ウルダハだしね」

 

 

「ワワルッカちゃん……なんて健気な……。よっしゃ、どーんと任せとき!」

「はははっ、親戚のおばちゃんみたいな言い方だな」

「……………………おばちゃん?」

「お 、お姉さんっ! お姉さんですっ! お姉さんに決まってるじゃないですか、やだなぁ」

「…………ふむ…。ま、いっか」

 

 

気を取り直した嫁、ローズさんから新しいお題をもらう。製作手帳で必要なアイテムを確認してみると、アルドゴートレザーのHQがないようだ。革細工師にはまだ手をつけてないため、自力でなめすことは出来ない。マーケットボードで揃えるしかないだろう。嫁は都市内エーテライトでマーケットへと飛んだ。

 

「次はリネンシャツかぁ……。ボトムは何を合わせたらカッコイイかな?」

 

お目当てのアルドゴートレザーのHQを格安で買うことができ、嫁は上機嫌だ。製作のほうは、ネットで拾ってきたというスキル回しマクロで、ボタンひと押し。HQのリネンシャツが、あっという間に出来上がった。

 

「よし、いっちょあがり! ローズさーん、でーきまーしたー!」

 

早速、ワワルッカに着てもらう。
着心地は好評の様子……なのだが ——— 。

 

 

「ちょっと……ワワルッカちゃん……? その帽子はどこから持ってきたの?」

 

その刹那、ローズさんの絹を裂くような(?)悲鳴が響き渡る。

 

 

「わははははは! ワワルッカちゃん! あははははは!」

「…………頭、良さそう?」

「んなわけあるかー! アホの子にしか見えないわー!」

 

 

「ちょ、ま……! 出てきたよ、サブリガ! ってか、美尻って!」

「ホントだ。開発も認めてるんだな、サブリガの破壊力を」

 

 

「トゲトゲって……! 世紀末なあの人じゃあるまいし! ララボーイには百年早いわ!」

「百年じゃ足りなくね? 〝幻想薬〟案件だろ」

 

夫婦揃ってモニターを指さし、侃々諤々のダメ出しタイムである。
で、いよいよ、全身像が………。

 

 

ローズ「………………」

嫁「………………」

夫「………………」

 

待って! ワワルッカちゃん! 待って!

 

待てと言われて、待つわけがない男 ——— ワワルッカ。
くるりときびすを返すと、脱兎の勢いで走り去ってしまう。

 

 

「良い物を混ぜればいいってもんじゃないわよおおおおおおぉっ……!」

「まったくその通りでございます」

 

 

「…………なんつーか、……混ぜるな危険……?」

「それな!」

 

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